めっちゃいいシートマスクで保湿する

知人からシートマスクをもらった。

いまだに、めちゃくちゃいい美容法などがよくわからないでいる。

どの化粧水や美容液がいいのかわからない。

高いやつは大抵いいんだろうけどそんなのポッと出せる経済力もない。

そんな私でも、お風呂上がりに化粧水を塗って、その後にシートマスクをベタッと貼ってからクリームを塗れば、「なんかいい」くらいは感じることができる。

シートマスクがあれば、化粧水やクリームは高くなくても多分今のところ大丈夫。

 

なので、シートマスクをもらうのは正直とってもありがたいのだが、知人にもらったそれは、「なんかめっちゃいい」ものだった。

 

あまり意識することなく、「今日はもらったやつ使おう」と手にとって封を開ける。

シートに厚みがあって、シートから溢れる美容液にはとろみがある。

明らかにいいやつ。

「え、なんかすごいやつだ」と声を出しながら少し興奮気味でシートを広げて顔に貼りつける。

 

「なんかめっちゃいい」シートマスクを顔にのせるだけで、「なんかめっちゃいい」ことをしている気分になった。

「『なんかめっちゃいい』んじゃん!?私!!」と思えた。

 

で、腑に落ちた。

私が自分にやってあげたかったことというか、思ってほしいことってこれだったな、と思う。こういうことなんだよな、と思う。

ああ、こういうこと増やしてあげられたらな、と自分に思う。

自分にちょっといいものを与えてあげる。自分がちょっといいなと思う人に会わせてあげる。

そろそろ私は私にもっといい勘違いしてほしい。

その気分を自分が感じてほしいと素直に思えるようになってきた、ということな気がする。

 

 

そんなの当たり前のようで、全然わからなかった。わかれない条件もずっとあった。

今はすこーしだけ、本当にすこしだけ、前よりわかる気がする。

労りとか慈しみみたいな感情がちょっとずつ生まれてきている。

いろんないいものに出会えて、いろんないい言葉やいろんないい人や、いい言動に出会った結果で、ようやくそういう道が舗装されたんだろう。

 

 

私は、人に期待をしないとか、人に幸不幸を委ねないという言葉に対してもう白旗をあげる。

はじめは委ねてなくても、期待してなくても、人との間に生まれた刺激によく反応してしまう。結果的にそういうものを求めてしまう。

誰かと一緒に幸せになりたいし、誰かの幸せの中にいることが幸せにつながるし、「私をどうにかしてほしい」と全部委ねることはしたくないにしても、そうなってしまっていることはあるだろうという意味で、そういう言葉に心から便乗できない。

つまり結果的にそんなふうに自分を割り切ろうとは今はできない。今は。

でもこういう性質だと揺らぎも多くて、それを誰かに嫌がられたり面倒がられたりするし、申し訳ないんだけど、起きてしまう揺らぎがあるときは、とにかく自分にいいものを与えて乗り越えたい。

100円のシートマスクより、300円のシートマスクを買う。

 

 

もうすぐ秋が始まる。

私のいう「秋」とは、「新しい学期」と同義で、大学生になってからの秋は、大抵うまくいかないものである。

毎日300円のシートマスクを貼ろうとすればお財布が息切れをおこして、私の心も苦しくなるので、時々、なんかきついなって時だけ、300円のシートマスクを貼る。

 

 

そういうことを積み重ねて、「いやー、めっちゃいいじゃん私!」って30歳になるまでにもっと思っていたい。

30になったとき、「ようやく本当に私の人生が始まる!」って思えるような自分にするのが今の夢。

あと2年半でそういう自分になっていくのが今の夢。

 

だから今日のシートマスクの感動をちゃんと覚えておきたい。

喉元過ぎれば熱さ忘れてしまうから。